2025.05.25 「小さな情報も共有する」 

日々の業務に追われるなかで、私たちは時に「本当に大切なこと」を見失ってしまいそうになることがあります。そんなときに立ち返りたいのが、スティーブン・R・コヴィー氏の著書『7つの習慣』の中にある「第3の習慣:最優先事項を優先する」です。

この習慣は、目の前の緊急性の高い業務に流されるのではなく、自分たちの使命や目的に照らして「本当に重要なこと」に時間とエネルギーを注ぐという考え方です。

ある日、外来が大変混み合い、スタッフ一同が慌ただしく動いていたときのことです。予約患者様の対応、問い合わせの電話、院内の連携…。一つひとつが重要である中で、あるスタッフがふと気づきました。

「今、自分が優先していることは、患者様に安心と信頼を届ける行動につながっているだろうか」

この問いかけをきっかけに、スタッフはあえて一呼吸置き、次に来院された患者様に目を合わせ、丁寧に言葉を添えてご案内をしました。すると、患者様の表情がやわらぎ、保護者の方もほっとした様子を見せてくださいました。

また、看護師・受付・医師との間でも、患者様の状態や希望に関する小さな情報を共有することで、診療の流れがより円滑になり、結果的に待ち時間の短縮や、満足度の向上につながることを実感しました。

「最優先事項」とは、私たちにとって、単に業務を効率よくこなすことではなく、患者様やそのご家族に対して安心と信頼を届けることです。チーム全体がその意識を持ち、行動を選び取ることで、クリニック全体の医療サービスの質は大きく高まります。

これからも、忙しい毎日だからこそ「今、本当に大切なことは何か」を見極め、最優先事項を優先するという姿勢を忘れずに、丁寧な医療と真摯な対応を心がけてまいります。

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