2025.06.10 「この仕事の意義」
これは、“緊急ではないけれど重要なこと”に、意識的に時間を使うという考え方です。
私たちの医療現場では、急な対応が日常的に起こります。急患の対応、電話の応対、処置のフォロー。目の前の「緊急なこと」に追われてしまい、「本当に大切なこと」が後回しになる場面も少なくありません。

たとえばある日、受付で混雑が続く中、初めて来院された患者さんが不安そうに立っていたことがありました。忙しさに流されてしまいそうになりましたが、スタッフの一人が一歩手を止めて「初めてのご来院ですよね、ご不安なことがあればお聞かせください」と丁寧に声をかけました。ほんの数十秒の行動でしたが、患者さんは安心した様子で「ここに来てよかった」と笑顔を見せてくれました。
その一言は緊急ではありませんが、患者さんにとっては「安心」に直結する大切な関わりでした。そして、私たち自身にも「この仕事の意義」を再確認させてくれる時間となりました。
忙しいから“あとで”ではなく、“今”意識して行動する。
心を込めた一言、丁寧な説明、スタッフとの5分の対話——それらの積み重ねが、信頼や安心、そしてチームの温かさを育んでいきます。
一日の終わりに、「今日は大切なことにちゃんと時間を使えた」と思えるような仕事の仕方を、これからも意識していきたいです。