長くドロドロした鼻水は要注意!
風邪を引くと喉が痛くなり、鼻水が出てくることが多いと思います。
喉の痛みはよくなったけど、鼻水がドロドロでて治らない場合は「副鼻腔炎」の可能性があります。
風邪の主な原因はウィルスです。風邪で体力や免疫力が低下すると、鼻の周囲にある副鼻腔に細菌性の二次感染を起こしてしまうことがあります。
これが、副鼻腔炎です。
副鼻腔は、鼻の周囲にある空洞のことです。
鼻や副鼻腔の粘膜は繊毛で覆われていて、外から入ってきたホコリやウイルスなどの異物を鼻水とともに排出する働きをしていますが、副鼻腔炎による炎症で鼻水がドロドロになると、繊毛に鼻水が絡まり、この働きが低下してしまいます。
また、副鼻腔の入口は小さいため、こうした鼻水によってふさがってしまうと、中の炎症もどんどん進み、膿がたまってきます。
そのため「蓄膿症」と呼ばれるようになったのですが、膿はなく、粘膜が腫れているだけの場合もあります。
下の図を見ると、副鼻腔は頬や目、おでこの辺りにまで広がっていることがわかりますね。
そのため、副鼻腔炎にかかると、頬や目の奥が痛んだり、頭痛が起こったりすることもあります。
また、大量の鼻水がのどへ落ちる「後鼻漏(こうびろう)」や、においがわからない「嗅覚障害」などの症状が起こる人もいます。
副鼻腔炎は、症状が出てから早いうちに耳鼻科に受診をし、抗生剤治療や鼻処置治療をうけることで、しっかり治すことができます。
しかし、症状を放置したり、治療をしてもなかなか治らない場合は、慢性化することがあります。
通常、1ヶ月未満で治る副鼻腔炎を「急性副鼻腔炎」、3ヶ月以上治療にかかるものを「慢性副鼻腔炎」と呼んでいます。
慢性副鼻腔炎になると、鼻の中にポリープができてしまうこともあります。
この鼻のポリープを、一般的には鼻茸(はなたけ)と呼んでいます。
急性副鼻腔炎の場合は、一ヶ月未満の抗生剤治療で治りますが、慢性副鼻腔炎の場合には、長期間にわたる抗生剤治療が必要になります。
抗生剤長期内服で治らない場合は、手術加療が必要になることもあります。
下のような症状がみられたら、副鼻腔炎にかかっているかもしれません。
◻︎ 風邪をひいた後、鼻水や鼻づまりが治らない
◻︎ ドロドロの鼻水がでる
◻︎ 口の中が臭って、ネトネトする
◻︎ 頬が痛い
◻︎ 頭痛がする
◻︎ 目の奥が痛い
◻︎ においがわからない
◻︎ 熱がある
1項目でも当てはまるようであれば、近くの耳鼻科を受診してください。